Wayward Stable  ---きまぐれな厩舎---
・・・ジャックラッセルテリア・・・ 始まりは18年前、乗馬クラブにやってきた1頭の犬との出会い・・・ スノーレットとその息子たち、カービン、アーチそしてカービンの娘のレミー、3世代同居のきまぐれな日々と私のひとりごと。。。

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馬とジャック・ラッセル・テリア




陽だまりの中、気持ち良さそうに横たわる1匹のジャックラッセルテリア。

私は彼の名前を呼びながら近寄っていくが彼は気づくことなく、時折身体を伸ばしてみたりしている。

手の届くところまで近づき、「ジョン!」と呼んだ声にまるで初めて気づいたようにその眠たそうな顔は振り返った。

彼の名は「ジョン」

だいぶ耳も遠くなり、暖かくなる頃には17歳になろうとしている老犬である。

しかし、彼はただの老犬ではなかった。





IMGP0306.jpg







遠征先のニュージーランドの馬小屋で生まれいた生後2ヶ月の彼をはるばる日本の乗馬クラブに連れて帰ってきた。

その頃はジャックラッセルテリアという犬種名を知る人はなく、寝床にしていた鞍置場に

ジョンはネズミを取ります。お腹いっぱいになるとネズミを取らなくなるのでおやつは与えないでください。」

という張り紙をされていたりした。

最近は猫でもネズミを捕らないのにこんな小さな犬ができるわけないじゃない・・・・・

ところが彼はわずかな期待を裏切ることなく狩猟犬としての能力を十分発揮することとなる。

ねずみを捕ったからといって別に食べるわけではないので、毎日敷地内のあらゆる場所でネズミの死骸を

目にすることになるのである。

さすが狩猟犬 !! しかし、その後始末はもちろん人間であるが(苦笑)・・・

ある日、馬の餌場を立て替えるために古い餌場を壊した時、枕木の下から無数のネズミが飛び出してきたのを

彼は間髪入れず次から次へと一撃でしとめては放り投げた。

急所を外すことなく数秒に1匹という速さに思わず声援を送っていた。

改めて彼の能力のすごさを目の当たりにすることとなった。

凄い ! 凄すぎる !! 私は彼のその勇姿を未だに忘れることが出来ない。

そして私が彼の子供が欲しいと思った瞬間だった。しかし、彼とは二度とキスはしまいと誓った。

その日は麻袋に数え切れないほど大量のネズミが回収できたのである。





馬と






彼の一日の仕事は馬たちの朝の飼い付けから始まる。

従業員が餌を配る時、彼は共に行動し1頭1頭の馬房の中に入り異状はないかチェックしていく。

「おはよう。今日の調子はどうだい?」なんて声をかけているのか・・・

大きな馬の足元を小さなテリアがうろついてるのだから馬に蹴られることもあるのだろうと思うがそれは彼と馬との関係、

いい距離感があるのである。

それが終わると広い敷地内もチェック。

それからやっと自分の朝ごはん、そしてひと時の休憩・・・誰もいない馬場を独り占め、いちばん日当たりがいい。



その後は代わる代わる来るお客さんに挨拶し、日中は自由気ままに過ごしている。

そんな中でも彼は決して馬への注意は忘れることなく、時には人間より早く具合の悪い馬を見つけることも多かった。

ジッと馬の馬房の前で座り込み、人が通ると吠えて呼び止める。

「なんだか様子がおかしいぞ」と教えていたのだろう。

彼だけに感じ取れる空気なのだろうか。

時には自分の知らない人間が厩舎にやってくると、その人物が妖しい者ではないと確認できるまで後を付回したりもする。

付回されるほうもたまったもんじゃないが・・・ 彼の仕事は意外に多い。

こういう世界だから当然、馬の死というものも訪れる。

苦しんで起き上がれない馬を励まし、時には気合を入れるためか馬の足に噛み付いたり・・・

一歩間違えれば自分が蹴られてしまうのに、そんなことも省みず馬を励まし続ける。

それでも治療の甲斐なく死んでいく馬。突然の不幸に見舞われ薬殺処分される馬。

ひとつの命の終わり・・・

死というものを理解しているのか彼は死んでもなお離れることなく、愛しげに顔を舐めてはただそっと座っている。

彼だけは離れることなく・・・

そして意を決したかのように冷たく横たわった馬の身体にある行為を始めた。

それは手足でかけるのではなく自分の鼻を使ってすくい上げるように砂を優しくかぶせていったのだ。

彼の体重の100倍以上もの巨体に何時間もかかって・・・

その行為はまるで土に埋めようとしているかのようで、彼なりの精一杯の愛情表現なのかもしれない。

やがて業者が馬を引き取りにやってくると、その作業をジッと見つめてた彼は一声遠吠えすると馬を乗せて

走り去っていくトラックが見えなくなるまで追いかけていくのである。

そうやって彼は16年間で何頭の馬達を見送ってきたのだろう。やがて淋しげに彼は一人で戻ってくる・・・

いや、いつまでも感傷に浸ってるわけではない。

彼にはまだ他にも守るべき馬達がいるのだから。



馬の世界で生まれ馬と共に生きてきた彼にとって、馬は仲間でありかけがえのない家族なのである。

彼の後ろで馬が鼻面を寄せて囁く。

きっと私たちには聞こえないだけで彼は馬との会話を楽しんでいるのであろう。

そんな馬達の側にいつも彼はいた。きっとこれからも彼は馬達の側にいることだろう。






IMGP0258.jpg






残念ながら彼の血を受け継ぐテリアはいない。

が、今は血気盛んな頼もしい?若犬テリアを教育中!

老犬となった今では毎日の仕事も少しサボリ気味・・・

でも、いざという時には若い者には任せておけないといわんばかりに真っ先に走ってくる。

この80頭余りの馬を守るために・・・

ジョンはまだまだ生きていく。

そこに馬がいる限り・・・





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テーマ:ジャックラッセルテリア  - ジャンル:ペット

  1. 2009/02/24(火) 17:24:32|
  2. ワンズ
  3.  | トラックバック:0
  4.  | コメント:6

本当にジョンはカッコイイですね!本当になんと言うか…奥が深くて、かっこいい。色々な枠を超えて尊敬してしまいます。ジョンのあの顔にある傷跡がまた色々なストーリーを語っていますよね。ジョンが登場すると、Hanakoも雰囲気が変わりますね。いつまでもいつまでもジョンの仕事を続けて欲しいですね!!また会いたいな。色々なジャックラッセルがいるけれど、remyさんの周りにいるジャックを知れば知るほど本当のジャックが好きになります。3月は、ジョンとスノレファミリーに会いに行きますね!!
  1. 2009/02/26(木) 04:44:12 |
  2. URL |
  3. Fumi #mQop/nM.
  4. [ 編集 ]

Fumiちゃん
あんな小さな犬だけど、そこにいるだけで独特な雰囲気が流れているのよね。
私の知ってるジャックって、ジョンそのものだからリードに繋がれて優雅に散歩している
ジャックはさんか寂しい気がして・・・
「叩けば埃が出るのがジャック」っていうのが理想かな。

顔は傷だらけでしょう・・・
若い頃は喧嘩もよくして顔がブルドッグみたいに腫れあがっちゃって・・・それが勲章だね。

  1. 2009/02/26(木) 17:42:37 |
  2. URL |
  3. remy #-
  4. [ 編集 ]

なんか、いい日記だなー・・・

愛玩犬と飼い主の愛情もそれはそれで美しいんだけど、
作業犬とそれを黙って見守り、
彼らの作業に敬意を持って
それを認めつつ接している人間達との関係も、
感動を覚えるほど美しいです。

最後の画像のジョン後姿が、
何もかも理解してるようで、
かっこいい・・・
  1. 2009/02/27(金) 21:54:47 |
  2. URL |
  3. はなたろう #-
  4. [ 編集 ]

はなたろうさん
ジョンって、しっかり自分の仕事を理解してるのよね。
誰に教えられたわけじゃないのに・・・
時には自分がリードして、それに人が着いていくものだから、またそれが面白いのよ。

ここにはなくてはならない偉大な存在・・・私にもね
うちのワンズたちにとってもね。
  1. 2009/03/02(月) 07:27:56 |
  2. URL |
  3. remy #-
  4. [ 編集 ]

本、は大げさかもしれませんが、エッセイとして何かどこかに掲載したい感じ、心を落ち着かせたい、温かくなりたい時に読み直します~~~
  1. 2009/03/13(金) 23:10:02 |
  2. URL |
  3. ジェスっぺ~ #mCuAJBbc
  4. [ 編集 ]

ジェスっぺ~
実はこれさぁ、会報用に半年前に作成したものなの・・・
それを知ってたi-279関係の人に早く読みたいと催促されて、こっちに載せたのですよ。。。
昨日もジョンと一緒に戯れてたんだけど、あとどれくらい触れ合えるのかなぁ~と
ちょっとセンチメンタルしちゃった・・・
耳は聞こえなくてもまだまだ元気だよi-185
  1. 2009/03/14(土) 11:25:40 |
  2. URL |
  3. remy #-
  4. [ 編集 ]

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アーチ ♂ (2003.7.27)
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レミー ♀ (2009.9.24)
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